書籍紹介「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」
「ほめて育てる」とよくいわれますが、「ほめ方」も一つ間違うと子どもの自主性を奪いかねないことになると筆者は言われます。子育てに関わる全ての方に、ぜひご一読いただきたい書籍です。

「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 」 :島村華子 著
オックスフォード大学 修士·博士課程修了(児童発達学)。モンテッソーリ&レッジョ·エミリア教育研究者。
上智大学卒業後、カナダのバンクーバーに渡りモンテッソーリ国際協会(AMI)の教員資格免許を取得。カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、オックスフォード大学にて児童発達学の修士、博士課程修了。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わる。
専門分野は動機理論、実行機能、社会性と情動の学習、幼児教育の質評価、モンテッソーリ教育、レッジョ·エミリア教育法。

家庭でも教育現場でも、子どものほめ方叱り方というのは難しく、悩ましいものですよね。
どうやって子どもをほめているのか、あるいは叱っているのか、意識して考えたことはありますか?
無意識にこんな言葉を使っていないでしょうか。
●ほめる●
「すごい!」
「よくできたね! 才能あるよ」
「さすがお兄ちゃん(お姉ちゃん) だね」
●叱る●
「ダメって言ったでしょ!」
「早く○○しなさい!」
「どうして約束が守れないの?」
 じつは「ほめる」「叱る」の声のかけ方次第で、親子関係や子どもの育ち方に大きな影響が見られます。日本人に多いとされる「自己肯定感」の低い子どもは、謙遜文化による 「ほめ不足」が原因ではなく、「非効率なほめ方や叱り方」が原因かもしれないのです。
 私はモンテッソーリ教育の教員としてカナダで動務し、「褒美」と「罰」は同等であるだけでなく、子どもにとって本来は必要のないものだと身をもって体験しました。子どもたちが「ごほうびシール」を得るため、あるいは大人からの罰を避けたい一心に行動したとすると、子ども自身がもっている好奇心や興味を見極めるのは非常に難しくなるからです。
 私が教員になりたての頃、早く文字を書き終わった子に対して「すごいね! 早かったね!」とほめたことがありました。そのあと、この子どもは毎回のように一目散に作業を終わらせて私のところに見せにくるようになりました。時間をかけたり、自分の好きなようにアレンジすることもなく、私にほめてほしいがために「早く終わらせる」ことだけに集中するようになってしまったのです。
 つまり、ほめるという行為で褒美を与えることは、罰と同じように、無意識であったとしてもやり方によっては子どもたちの行動やモチベーションを外的にコントロールし、その子の本当にやりたいことの妨げになる可能性があるということを教員経験が気づかせてくれたのです。

「前書きより」
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